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鈴鹿回生病院

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「もしかして、薬の飲み過ぎ?~ポリファーマシーと退院時薬剤情報連携~」-くすりと健康情報局vol5

健康ひろば

近年、多くの薬を服用することによって起こる「ポリファーマシー」が問題となっています。
今回はポリファーマシーの原因や、予防するための取り組みについて紹介します。

 



1:ポリファーマシーってなに?

ポリファーマシーとは「たくさんの」を意味する「ポリ」と、「調剤」を意味する「ファーマシー」を合わせた言葉で、多くの薬を服用することにより副作用が起こったり、飲み忘れ・飲み間違いが起こったりする状態をいいます。たくさんの薬を飲んでいることが問題ではなく、必要以上の薬・不適当な薬が処方されていることで好ましくない症状が起こることが問題とされています。

2:ポリファーマシーの原因は?

一つの医療機関から処方された薬は少なくても、複数の医療機関・診療科を受診すると、全体として薬の種類は増えてしまいます。また、薬によって起こった症状を別の薬で対処しようとすると薬が増えてしまいます。これにより薬が重複したり、複数の薬が影響し合ったりすることが原因とされています。

3:ポリファーマシーを防ぐために病院薬剤師が行っていること

入院した患者さんが持参する薬の内容について、医師や看護師などの医療スタッフや患者さんから収集した情報をもとに、患者さんの病態や意向を確認した上で、必要に応じて減薬を医師へ提案しています。また、入院中に持参した薬の内容に変更があった場合には、退院時に見直した内容や理由等を記載した文書を作成して調剤薬局へ情報提供を行い、地域と連携した服薬支援ができるよう取り組んでいます。

4:患者さんにご協力いただきたいこと

お薬手帳は1冊にまとめましょう

お薬手帳を1冊に集約する、またはかかりつけの薬局を1か所に決めることで、複数の医療機関にかかっていても薬剤師が処方内容を把握しやすく、薬の重複や相互作用に気付きやすくなります。

マイナ保険証を活用しましょう

マイナンバーカードを健康保険証として利用することで、診療・薬の情報を医師・薬剤師に共有でき、薬の重複を避けることができます。

医師や薬剤師に体調の変化を伝えましょう

症状が改善していれば、薬の減量や中止ができる場合もあります。反対に、薬を正しく服用できていなかったために症状が悪化することもあります。薬を漫然と継続しない、不必要な薬を増やさないためにも日頃の体調の変化で何か気になることがあれば、ぜひ医師や薬剤師に相談してみましょう。

 -筆者プロフィール-
 薬剤師:刀根 理香子

 病棟薬剤業務を担当するとともに、新人薬剤師教育なども担当。日本栄養治療学会 栄養サポートチーム専門療法士、日本病院薬剤師会 病院薬学認定薬剤師。

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