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【薬剤管理課より】

 

  第315号
平成30年5月発行
鈴鹿回生病院
薬剤管理課

脱水症

 

若葉の色が美しい季節になりました。蒸し暑い日も増えてきましたが、水分補給はしっかりされていますか?今回は脱水症の原因と対策について取り上げたいと思います。

 

1:脱水症とは   

  私たちの身体には、たくさんの水分が含まれていて、成人男性で体重の60%、新生児で約80%が「体液」とよばれる水分でできています。体液とは、血液・リンパ液・唾液・粘液・消化液・唾液・ 尿など、人間の身体が生命活動を行ううえで欠かすことのできないものです。この体液が失われた状態を、脱水症といいます。

体内の元素のうち、酸素・炭素・水素・窒素以外のもので身体に必要なものを無機質(ミネラル)と総称します。

 

2:脱水症の症状

脱水症では、身体の血圧低下・脳血流減少により、立ちくらみ・めまいがするといった症状が出ます。さらに脱水状態がすすんだ場合、筋肉痛、筋肉硬直(こむら返り)が起こることがあります。これらは血液の塩分濃度低下が原因となって起こります。

水分減少率(体重に占める割合)

主な脱水症状

2%

のどの渇き

3%

強い渇き、ぼんやりする、食欲不振

4%

皮膚の紅潮、イライラする、体温上昇、疲労困ぱい、尿量の減少と濃縮

5%

頭痛、熱にうだる感じ

8〜10%

身体動揺、けいれん

20%以上

無尿、死亡

 

 

3:薬と脱水症 

薬でも脱水症の引き金となりうるものがあります。また、脱水状態での薬の服用は血液中濃度の急激な上昇など副作用の発現を誘発してしまうことがあります。脱水症の予防に努め、口からの水分補給が難しい場合や、意識がはっきりしないときなどは、すみやかに医療機関を受診してください。

◇副作用で脱水症の恐れがある薬◇

利尿剤
(スピロノラクトン錠、ダイアート 錠、フルイトラン 錠、フロセミド錠、ルプラック 錠、サムスカ 錠など)

体の水分を排泄するため、脱水症を助長する恐れがあります。

SGLT2阻害剤:糖尿病治療薬
(フォシーガ 錠など)

糖の尿中への排泄を促進し、尿量が増加するため、水分の補給が不十分であると脱水症を引き起こす恐れがあります。

下剤
(マグミット 錠、センノシド錠、アミティーザ カプセル、ピコスルファート内用液など)

水分の補給が不十分で下痢が続くと、脱水症を引き起こします。


 

4:予防と治療

 脱水症は、治療よりもまず予防に努めることが第一です。スポーツドリンクなどで水分とミネラルをこまめに補給することを心掛け、自分の身体は自分で守りましょう。とくに就寝前や起きてすぐ、入浴する前後、運動をする前後、運動中、そして飲酒後は、水分をとってください。水分の摂取量は多くの方で不足気味と言われており、平均的にはコップの水をあと2杯飲めば、一日に必要な水の量を概ね確保できるとされています。このとき、緑茶やウーロン茶などカフェインの入った飲み物は利尿作用のあるカフェインを含むため適しません。

 脱水症の治療には水分と塩分が速やかに補給できるよう設計された経口補水療法、あるいは点滴が用いられます。経口補水療法では、ナトリウム(塩分)とブドウ糖(糖分)を含む経口補水液(OS1:オーエスワン○R)を摂取します。塩分は体内に水分を保持させ、糖分は小腸でのナトリウムと水分の吸収を促進させるため、経口補水療法で水分・塩分・糖分を同時に摂取することは、迅速な水分補給において大切です。ただし、高血圧の方では塩分を取りすぎると血圧が上昇したり、糖尿病の方では糖分を摂取しすぎると糖尿病が悪化したりすることがありますので、持病のある方は主治医の指示を仰いでください。

  高齢者や小さなお子さんの脱水症には、周りの方が気を配ってあげてください。

 

 

参考資料:大塚製薬ホームページ

     厚生労働省「健康のため水を飲もう」推進運動ホームページ

 

 

                                                    

 

 文責:柘植 麻里奈

 

 

 


   

 

 

 
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